商標出願プラン「エンジェルラウンド」提供の経緯と今後

VC調達前のスタートアップ向けに区分数を問わず出願時報酬9000円、登録時報酬5000円の商標出願プラン「エンジェルラウンド」を提供開始しました。

2012年からスタートアップのサポートをする機会を得て、少しずつスタートアップへの理解を深め、一歩ずつ価値ある権利を手にしてもらい、その活用に繋がるよう努力してきました。その中で常に課題となってきたことがあります。

「もう少し早く出会えていれば」

もう少し早く出会えていれば、その発明を事業を左右する特許にすることができた。その商標が他社に取得されてしまうことを防ぐことができた。そういう場面を経験してきました。起業家は日々新たに生まれ、それ以降に起業に必要なさまざまなことを吸収されていくため、どれだけ情報発信をしていても、その起業家には届いていません。

強いメッセージでなければ起業家に届かない。「エンジェルラウンド」は、創業期の起業家に商標への取り組みの必要性を少しでも早く伝え、大きな負担を伴わずに商標出願をしてもらうためのプランです。

商標には難しいところもあり、特にスタートアップの商標は対象となる事業がこれまでにないものであることから、通常の商標以上に必要となる検討があります。このプランでは、業務プロセスを定型化して、すべての検討は行えないけれども、まずはコストを抑えて必要な法的保護を行ってもらうことを目的としています。具体的には、このプランの提供に当たって業務プロセスを改めて1つ1つ確認して7つのステップに整理し、各ステップを効率的に実行することで出願準備に必要なコストを抑えています。また、適切な出願をするためには事業理解が必要となりますが、事業説明資料の提出をお願いすることで、その効率化を図ります。ここは負担が大きいかもしれず、今後必要に応じて見直していきます。

振り返ると2015年10月に「全自動商標登録出願」サービスを投資家に事業案として説明していました(図は特許行政年次報告書2014年版より)。

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スタートアップを対象にした場合、必要となる検討の複雑さが高く、実際に立ち上げるまでには至らなかったのですが、かたちが変わり、今回のプランとなりました。

今後はRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の採用、AI(人工知能)の活用によってさらなる効率化の可能性を検討していきます。

「エンジェルラウンド」をどうぞ宜しくお願いいたします。