指定商品・役務の死角—生成AIで埋める商標登録の実務

2023年3月、GPT-4が公開された直後のことだ。GPT-4を触り始めて数日で、一つ気付いたことがあった。

私は、商標登録出願の願書に必要な「指定商品・指定役務」の選定に長く時間を費やしてきた。事業の説明を聞いて、その事業を営む上で関連する商品・役務を網羅的に拾い上げ、特許庁が認める文言に落とし込む—願書作成の実務に欠かせない作業だ。

生成AIが注目を浴び出したばかりで何ができるのか世界中が手探りであった中で、依頼者の事業を短く説明して適切なプロンプトにすると、その事業から派生し得る商品・役務を驚くほど幅広く列挙することができた。

「メタバースにおけるライブ開催」と入力すると、「仮想ライブイベント」「アバター用仮想グッズの販売」「ライブチャット」「ファンクラブ」と次々に挙がる。私も依頼者自身も考えていなかったものまで含めて。

ただ、それだけでは商標登録出願には使えない。願書に書ける文言は特許庁が示す商品・役務の例示にならって決める必要がある。「ファンクラブ」と書いても、特許庁が求める明確性の基準を満たさなければ、そのままでは伝わらない。生成AIのもたらす発想を商標法上の文言に翻訳しなければならない。

二段階の翻訳—事業から業務に、業務から商品・役務に

そこで組み立てたのは、二段階の翻訳だった。

第一段階では、事業の説明を生成AIに渡し、「この事業を営む上で提供され得る一組の商品・役務」を列挙させる。ここでは創造性を解放する。依頼者自身が考えていない範囲まで広げることが目的だからだ。

第二段階では、第一段階で得られた商品・役務、すなわち依頼者の事業に伴う各業務を入力として、願書に記載可能な商品・役務の一覧から対応する商品・役務の候補を生成AIに選定させる。技術的には、願書に記載可能な商品・役務の一覧をチャンク単位に分割して埋め込み(embedding)を行ったデータベースから、第一段階の各出力との関連性が高いチャンクを抽出し、その中から候補を選ばせる—いわゆるRAG(Retrieval Augmented Generation)の構成である。各候補には類似群コードが紐づき、そのまま先行商標調査の入力として使える。

二段階に分けることで、「広げる」処理と特許庁の文言に「落とし込む」処理が分離される。広げるだけでは出願に十分とは言えず、特許庁の文言に合わせるだけでは依頼者の頭の中にあるものしか拾えない。両方が要る。

それまで多くの時間を費やしてきた作業が劇的に効率化されることを目の当たりにして、「これは発明だ」と直ちに特許出願の準備を進めた。

権利化にあたっては、発明を最上位の抽象度で表現する独立項を第一段階のみで構成した。第二段階は、明細書で詳細を開示しつつ、従属項に置き、独立項の射程からは外している。事業説明を入力として、入力に含まれない商品・役務まで含めて生成AIに列挙させる—この一手こそが新しいのであって、商標法上の文言への翻訳は付加的な特徴として位置づけた。

成立した特許第7620967号は、商標登録の文脈において、事業説明を起点とする生成AIによる商品・役務の展開を広く射程に収めている。

「自分で出す」のその先——指定商品・役務の死角

私は以前、「30分で出来る、スタートアップの初めての商標出願」という記事を書いた。スタートアップの一件目の商標出願は、外形だけを見れば、スタートアップが自社で短時間で進められる。J-PlatPatで先行商標を調べ、願書を作り、特許庁に提出する。手数料以外の負担はそれほど大きくない。

そこでも書いたのだが、最大の難所が一つある。願書に記載する指定商品・指定役務をどう選ぶかだ。

商標登録で最も典型的な失敗は、出願時点で創業者の視界に入っている範囲だけを指定してしまうことである。一年後、二年後の事業展開で、当初指定した範囲を超える業務を行うことが少なくない。ほとんどのケースにおいてそうなると言ってもよい。その時点で他社が先に登録していれば、自社のブランドをそうした新たな事業で使えなくなる。新規性が高い事業ほどこの罠にはまりやすい。

具体例を挙げる。「メタバースにおけるライブ開催」というサービスを始めるスタートアップが、自社で願書を作るとする。エンタメ系の役務だと考え、第41類「コンサートの企画又は運営」を指定する—ここまでは自然な判断だろう。

ところが、「メタバースにおけるライブ開催」という事業説明をこの発明に従って生成AIに入力すると、第一段階で「仮想ライブイベント」「アバター用仮想グッズの販売」「ライブチャット」「ファンクラブ」、さらには「イベントスポンサーシップ」といった商品・役務が提示される。続く第二段階では、それぞれを特許庁の文言に翻訳していく。「仮想ライブイベント」であれば、第41類の「コンサートの企画又は運営」(類似群コード41E01)、「インターネットを利用して行う映像の提供」(類似群コード41E02)、「インターネットを利用して行う音楽の提供」(類似群コード41E03)といった複数の役務候補へ展開される。

事業が拡大した一年後、アバター用仮想グッズが収益の柱の一つになり始めたタイミングで、十分に対応をしたと考えていた商標登録でそれがカバーされていなければどうなるだろうか。ワーストシナリオとして、他社がその範囲で先に商標を登録してしまっていたら?

収益モデルが確立し、これから成長を加速していくというタイミングでブランド変更を余儀なくされることになる。

効率化ではなく高度化

2023年4月8日に最初の出願を行い、優先権主張を重ねながら2024年4月にPCT出願、2025年1月に日本で特許権が成立した。ChatGPTで2023年3月19日から4月8日まで、OpenAI APIで2023年4月5日から4月8日まで、仮想事例でそれぞれ検証を行った。新規性喪失の例外規定の適用を受けるため、二通の証明書を提出している。GPT-4の公開直後の三週間、ほぼ毎日検証を重ねた上での出願だった。

生成AIの登場以降、知財実務には「効率化」と「高度化」の二種類のインパクトがある。前者は既存の作業時間を短くする。後者は、これまで人間が行っていたことを一層高い水準で行うことを可能にする。

この発明は、前者に留まらず、後者でもある。指定商品・役務の選定は、これまで弁理士が依頼者にヒアリングして書き起こす作業だった。生成AIを介在させると、依頼者の説明から事業を構成する業務を幅広く展開し、それらを特許庁の表現に落とし込む作業に変わる。弁理士の役割は、ここで変容している。

知財実務の現場では、こうした変革*1はあちこちで起き始めている。本発明はその一例にすぎない。


*1 知財業務全体における生成AIによる変革については、別稿「生成AIによる知財業務の変革と今後の展望」『生成AIによる業務効率化と活用事例集』(研究開発リーダー、2025年)で論じています。

森田・大谷特許事務所では、商標登録出願業務にこの発明を適用して日々業務を進めている。新規性の高い事業を営むスタートアップで指定商品・役務を十分に選定してから出願に臨みたいとお考えの方は、当事務所の支援を是非選択肢に入れていただきたい。

著者

大谷 寛(Kan Otani)

弁理士 / 森田・大谷特許事務所共同設立者

2013年よりスタートアップのための知財形成に取り組み、freee、ソラコム、ジグザグのIPO企業を含む多数のスタートアップの特許出願を手がける。2025年に森田・大谷特許事務所を設立し、生成AIを活用した知財実務の高度化に注力している。慶應義塾大学理工学部卒、ハーバード大学大学院修士(応用物理学)。2020年第1回IP BASE AWARDグランプリ受賞。IAM及びManaging IP選出の日本を代表する特許専門家。連載「スタートアップ知財の12年」。

商標出願プラン「エンジェルラウンド」提供の経緯と今後

VC調達前のスタートアップ向けに区分数を問わず出願時報酬9000円、登録時報酬5000円の商標出願プラン「エンジェルラウンド」を提供開始しました。

2012年からスタートアップのサポートをする機会を得て、少しずつスタートアップへの理解を深め、一歩ずつ価値ある権利を手にしてもらい、その活用に繋がるよう努力してきました。その中で常に課題となってきたことがあります。

「もう少し早く出会えていれば」

もう少し早く出会えていれば、その発明を事業を左右する特許にすることができた。その商標が他社に取得されてしまうことを防ぐことができた。そういう場面を経験してきました。起業家は日々新たに生まれ、それ以降に起業に必要なさまざまなことを吸収されていくため、どれだけ情報発信をしていても、その起業家には届いていません。

強いメッセージでなければ起業家に届かない。「エンジェルラウンド」は、創業期の起業家に商標への取り組みの必要性を少しでも早く伝え、大きな負担を伴わずに商標出願をしてもらうためのプランです。

商標には難しいところもあり、特にスタートアップの商標は対象となる事業がこれまでにないものであることから、通常の商標以上に必要となる検討があります。このプランでは、業務プロセスを定型化して、すべての検討は行えないけれども、まずはコストを抑えて必要な法的保護を行ってもらうことを目的としています。具体的には、このプランの提供に当たって業務プロセスを改めて1つ1つ確認して7つのステップに整理し、各ステップを効率的に実行することで出願準備に必要なコストを抑えています。また、適切な出願をするためには事業理解が必要となりますが、事業説明資料の提出をお願いすることで、その効率化を図ります。ここは負担が大きいかもしれず、今後必要に応じて見直していきます。

振り返ると2015年10月に「全自動商標登録出願」サービスを投資家に事業案として説明していました(図は特許行政年次報告書2014年版より)。

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スタートアップを対象にした場合、必要となる検討の複雑さが高く、実際に立ち上げるまでには至らなかったのですが、かたちが変わり、今回のプランとなりました。

今後はRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の採用、AI(人工知能)の活用によってさらなる効率化の可能性を検討していきます。

「エンジェルラウンド」をどうぞ宜しくお願いいたします。

事務所ウェブサイト公開

2019年11月1日に2017年1月5日の事務所設立から三年を前にウェブサイトを公開しました。website_PC_screenshot_20191103

投資家、起業家、弁護士、知人からのご紹介を主としてスタートアップとの出会いをいただいてきました。これからもこれまでの大切な方々からのご紹介に向き合っていくことは変わりません。ただ、ご紹介いただく際にウェブサイトがないことでご負担をおかけしてしまっていたかもしれません。また、こういったことも相談できるだろうかとお問い合わせをいただくこともあり、守備範囲が予め分からないことでご紹介いただく際にお手を煩わせてしまったかもしれません。

そうした観点から、弁理士大谷の守備範囲をコンパクトにお伝えするとともにその想い、哲学を一つのウェブサイトに纏めました。ミッションとタグラインの言語化は自ら行いましたが、それを視覚表現として美しくデザインしてくれたデザイナーの力を感じた機会でもあります。

今後とも引き続き宜しく願いいたします。

 

 

2017年に資金調達をしたスタートアップの商標出願動向

2017年に1億円以上の資金調達をしたスタートアップの商標出願動向です。2019年9年13日までに公開されたものが対象です。

商標出願動向_2017_公開日20190913まで

FiNCが合計77件の圧倒的な出願数です。社名「FiNC」、サービス名「ダイエット家庭教師」のほか、「ウェルネスマイレージ」「リバウンド割」「フィットネス大学」「ウェルネス家庭教師」「マインドフルヨガ」「美トレ」など未発表のものを含め、さまざまな新サービスのネーミングが出願されています。「PLAY BEAUTY」というタグラインの出願もなされています。

2位のPreferred Networksは38件です。社名及びその略称のほか、「Chainer」「CUPY」などのPFNが提供するオープンソースソフトウェアなどのソフトウェア名、それから各ソフトウェアのロゴなどがさまざまなバリエーションで出願されています

3位のZMPは37件で、社名、サービス名のほかに「A.I.TAXI」「ラブタクシー」など独自のコンセプトと見受けられるネーミングが出願対象となっています。

独自のコンセプトと見受けられるネーミングを積極的に出願していく姿勢は4位のリンクアンドモチベーションによる「戦略人事」「モチベーションインデックス」「モチベーションエンジニアリング」、5位のSALES ROBOTICSによる「LEAD HUNTER」「SALES TECH」「インサイドセールスオートメーション」などにも見られます。

2017年に資金調達しているのに載っていない、こんな分析が見てみたいなどありましたら、是非コメントをいただけたら。

2016年に資金調達をしたスタートアップの商標出願動向

2016年に1億円以上の資金調達をしたスタートアップの商標出願動向です。2019年1年15日までに公開されたものが対象です。

商標出願ランキング_2016_201901152018年に上場したメルカリが合計80件の圧倒的な出願数です。「メルカリ」というアプリ名のほか、「メルペイ」「メルカリ便」「メルカリファンド」「メルカリストア」「マルシェ」「merloan」「merlending」「mercard」など未発表のものを含め、さまざまな新サービスのネーミングが出願されています。

2位のビズリーチは43件です。「BizReach」は当然として「キャリトレ」「HRMOS」、そして「プロリクルーター」「ダイレクトリクルーティング」「ダイレクトM&A」「Inside Sales Conference」など、サービス名にとどまらず独自のコンセプトと見受けられるネーミングが出願対象となっています。

3位以下も二桁億円以上の調達までステージを進めている企業による10件を超える商標登録出願が続きます。

メルカリに80のサービスがないように、出願された商標のすべてがすぐにサービスとして立ち上がるわけではありません。しかし、費用を要する出願というステップの前にそれ以上の数の案が検討されていることを考えれば、商標出願の件数は、新たなサービスを世に問う前の社内での検討の深さを表していると評価できます。

2016年に資金調達しているのに載っていない、こんな分析が見てみたいなどありましたら、是非コメントをいただけたら。

参考 2015年に資金調達をしたスタートアップの特許出願動向

六本木通りメンタリングデー

2019年1月よりシードステージのスタートアップを対象にご相談をお受けするメンタリングデーを設けます。

事業プランをお伺いして、知財の観点で考慮しておくべきこと、理解しておくべきことをフィードバックします。商標について、後手に回って解決に小さくない額の出費が避けられなくなることが少なからずあります。特許について、知っていたら良い特許出願をすることができたのに単に知らなかったからそれが不可能になっていることがあります。

特許については、状況によっては今、集中的な取り組みを始めることが事業の成長に大きく寄与することもあります。しかしながら、十分な取り組みを行うことがシードステージのリソースでは困難であることが多く、また、会社の状況について十分な情報が得られないことにより、最適な提案をし切れないことがあります。そこで、お互いに特許への集中的な取り組みの意味合いのコンセンサスが取れることを条件に少額出資の上、一株主として、出資後1年間特許出願等の知財支援をハンズオンで行います(実費のみ出資先負担)。

これまでいくつものスタートアップがシードステージから立ち上がっていく瞬間に立ち会ってきました。もっと出来た、というのが実感です。

専門家として、事業を理解した上での知財支援を客観的に行いつつ、一個人として、事業に一歩踏み込み、知財の事業成長への貢献をより大きなものとしていきたいと考えています。ご連絡お待ちしております。

プライバシーポリシー

追記「メンタリングデー」は2019年10月より「オフィスアワー」に一本化いたします。

弁理士大谷からのお願い-知財責任者のご指定-

弁理士大谷は、依頼者の事業を正しく理解した上で未来を変えていくスタートアップの特許・商標を最先端の実務で支えています。

事業を正しく理解することが出来なければ、その成長に寄与する打ち手としての特許・商標への取り組みをすることは出来ません。そして事業を正しく理解するためには、当職のカウンターパートが自社事業の今とこれからを正しく理解していることが欠かせず、このことは、当職のカウンターパートが取締役、執行役員等の役員レベルであることを多くの場合要求します。こうした適切なカウンターパートを知財責任者として定めて戴き、コミュニケーションを重ねていく中で、互いに事業と知財についての理解が深まり、価値のある成果を生み出すことができます。

起業直後に初めて起業家の方とお会いして、特許・商標への取り組みを始めた後、資金調達を経て会社のステージが変わっていくにつれて、一担当者に知財の問題を割り振って自ら関与しなくなることがあります。自社事業の今とこれからを正しく理解した上でどのような取り組みをすることが事業の成長を加速し得るかの検討を入社したばかりの一担当者と行うことは不可能です。

もちろん、会社の成長とともに社内弁護士が加わったり、役員ではないものの役員と極めて近い距離で戦略的な視点で業務を行っている方が加わったりすることがあります。こうした方を知財担当者として戴くことはあります。

いずれにしても、スタートアップがその限られたリソースの中で成果を生み出すためには、相応の知財責任者を定めていただき、経験を重ねていくことが不可欠であって、私一人の力で出来ることには限りがあります。会社の成長とともに知財責任者の変更又は知財担当者の指定が適切な場合には、後任の方にスタートアップの社内で引継ぎがなされることも不可欠です。大企業において数十人、数百人が日々知財の業務に当たっている状況において、事業の新しさを強みに極めて限られたリソースの中で成果を生み出すことを試みているのであって、当然の要請です。

しかしながら、これまで、特許出願を受任する際の委任契約書では知財責任者を明示して戴いておりましたが、スタートアップとのファーストコンタクトがほとんどの場合取締役であり、自社事業についての深い理解を有している方であることから、明示的に知財責任者のご指定をお願いしていないことが少なからずありました。

誰も注目していなかった「スタートアップ×知財」という領域で、少しでも広く知財に取り組む意義を伝えていくことを目的としてきたこの数年間は、これもスタートアップが知財に取り組むハードルを下げる観点で必要なことでしたが、環境は変わり、スタートアップがこれまで以上の大きな成長を目指す中で大手企業は欠かさず取り組んでいる知財への取り組みへの感度も高まっています。

これからは、取締役、執行役員を含む役員、社内弁護士又は協議の上定めたその他の知財責任者のご指定を必ずお願いすることとしていきます。

2022年7月22日改訂

スモールビジネスのための商標出願支援プロジェクト「MONTHLY」

六本木通り特許事務所では、2018年8月16日より、スモールビジネスの方向けに商標出願を月1件のペースで無料(実費別)で支援するプロジェクト「MONTHLY」を開始します。

◇スモールビジネスの落とし穴

個人事業主として、または中小企業としてビジネスを始めるとさまざまなペーパーワークが生じます。個人事業主であれば、税務署への開業届、銀行口座の開設、社会保険の切り替えなどが必要です。法人であれば設立登記を行います。従業員を雇うのであればさらにペーパーワークが続きます。営業を開始すれば請求書の発行等、会計処理が始まります。

このようなペーパーワークが続く中で、サービス名等の商標出願も早い段階で行うべきであるものの、商標出願をしなければ直ちに営業停止になるわけでもなく、後回しになりがちです。しかし、さまざまな意味を込めて決めた名前は、これから毎日名乗っていくものです。使い続けることで人々の記憶に残り、他とは違う皆さんのサービスを表すものとして価値を高めていくものです。こうして毎日名乗り、毎日書いてきた名前が他人により使われ始めたら。

顧客の中には混乱する人も出てくるのではないでしょうか。

場合によっては他人により商標登録をされてしまい、逆にその名前を使えなくなってしまったら。

これまで積み上げてきた実績をゼロから別の名前で、別のサービス名で積み上げていかなくなってしまうのではないでしょうか。

◇商標出願支援プロジェクト「MONTHLY」の概要

表にはあまり出てきませんが、せっかく独立の一歩を踏み出したのにこうした状況に陥ってしまうケースは少なくありません。僅かではあるものの、スモールビジネスのための商標出願支援プロジェクト「MONTHLY」ではそのような不幸を減らしていきます。顧客に責任をもってサービスを提供し続けていく上で、商標は欠かせない権利であることを伝えていきます。

対象:独立3月前から独立後3年未満のスモールビジネスが対象です(2019年8月より1年未満から変更)

(ベンチャーキャピタル(「VC」)から調達予定の企業を除く。)

選考:隔月で抽選で1件、特に共感したビジネス1件の計2件を選ばせていただきます

価格:無料(実費別)実費は通常出願時2-3万円程度です

応募フォーム

偶数月の月末までの応募の中から選考通過の方に翌月10日までにご連絡をさせていただきます。

「お名前」「SNSアカウント」「独立経緯」「初年度事業内容」をご記載いただき contact (at) roppp.jp までご応募ください。

[注意] 応募内容の守秘義務は3月間

プライバシーポリシー

◇六本木通り特許事務所について

六本木通り特許事務所は、未来を変えていくスタートアップの特許・商標を最先端の実務で支えています。

エクイティファイナンスで急成長することが予定されたスタートアップと日々向き合う中で、スタートアップとは異なるかたちで社会にとって意義あるビジネスを営む方々との出会いもあります。「MONTHLY」を通じて、僅かながら、幅広く新しい挑戦を支援していきます。

<事務所の概要>
代表者:代表弁理士 大谷 寛
設立 :2017年1月5日
所在地:東京都港区六本木
URL:http://roppp.jp/article/

<代表弁理士受賞歴>
2017-2018年 主要業界誌Intellectual Asset Managementにより特許出願の分野で日本を代表する専門家の一人に選ばれる。

MONTHLY™は六本木通り特許事務所の商標です。

イニシャルフィーという考え方

六本木通り特許事務所では、商標出願・特許出願において「イニシャルフィー」という考え方を採用しています。

「イニシャルフィー」は当事務所独自のコンセプトで、初めての出願案件の受任に当たって依頼者の事業を正しく理解するために必要となる各種検討に伴う費用です。

商標出願について

商標出願について考えると、商標とは文字等と用途の組み合わせですので、どういった文字・図形等をどのような業務を用途として用いるのかの特定が必要です。たとえば、オンラインバンキングサービスは銀行業務なのか、それともウェブサービスなのかという判断は必ずしも容易ではありません。ウェブサービスとして提供される銀行業務という二面性を有するという判断が妥当かもしれません。

こうした問題は「〇〇向けアプリをローンチします」というご説明をいただいたのみでは判断不可能で、直近どこに軸足があるのか、不随してどのような機能があるのか、また未来の可能性としてどのようなサービスに変化し得るのかという事業の展望を理解しなければ、正しい商標出願をすることは出来ません。

人工知能(AI)で商標出願を効率化という流れがあり、これは歓迎すべきものである一方、特にスタートアップが挑戦するこれまでに存在しない事業の場合、当然過去の類似出願のデータも存在しないことから、一般的な機械学習では解けない複雑さがあります。

特許出願について

特許出願についても同様です。発明は課題と解決手段の組み合わせで、一般に事業には複数の課題があり、各課題を解決するための手段にも複数の要素があります。どの課題に対するどの解決手段を発明として捉え、特許出願の対象とするかの特定が必要です。そして、審査を通過して特許権を成立させるためには、他社が容易にはその発明に思い至らなかった新しさが要求されることから、事業を構成するいくつかの特色のうち、どれが本質的な新しさと言えるのかを見極めることが必要です。

この問題を解くには、技術のみをご説明いただいても十分ではなく、なぜ今この事業なのか、対象事業が属する業界において広く受け入れられている常識はなにか、新規事業で未来はどう変わるのかといった点まで含めて、商標出願以上に深い事業理解をしなければ、正しい特許出願をすることは出来ません。

特に特許権は他社が無断で特許発明を用いていることを検出可能であって初めて価値を生むことが多く、ありふれた課題を複雑な解決手段で解決する発明よりも、これまでの常識では見過ごされていた新たな課題をシンプルに美しく解決する発明の方が特許出願に適しているため、深い課題理解がとても大切です。特許は特殊なテクノロジーをもった会社のためのものというイメージがありますが、正しく使えば、広くスタートアップとの親和性が高い制度です。

費用について

イニシャルフィーが商標出願・特許出願の受任の前提となるため、少なくとも一件目のご依頼は、グーグル検索でご覧になる他事務所の費用よりも当事務所は高額となるようです。二件目以降はイニシャルフィーは発生しません。

ただ、出願をすること自体が目的ではなく、事業の方向性と整合した出願による知財化によって、瞬間的な今の強みを持続的なものに変換していくことを目的としていただけるのであれば、「議論の中ではっとすることが何度かあった」と評価をいただくこともあります。

社内にはない「知財」という切り口で事業の強みを整理し、時にはこれまで意識していなかった強みを共に見い出していく。そうした役割を果たしたいと考えています。

イニシャルフィーについて

イニシャルフィー™は六本木通り特許事務所の商標です。

初めての方へ

レタリングと商標の接点

商標は、「文字・図形・記号・立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音その他省令で定めるもの」(商標法2条1項柱書)が登録の対象とされています。

もっとも一般的なのが特許庁が定める明朝体又はローマン体の標準文字でブランドネームを記載したもので、その次に多いのが文字をレタリングして図形的性格が加わったものです。いわゆるロゴです。

理想としては標準文字で図形的な限定を加えることなくブランドネームを商標登録することができればよいのですが、商標への取り組みが会社設立後でさらにプロダクトのローンチ後であることが多いスタートアップへの助言をしていると同一ではないものの類似していないとは言い切れない先行商標と衝突する状況が頻発し、日々の実務として、図形的性格も含めて非類似という立論が求められるケースを多く経験しています。少なくとも日本では、読みである称呼が先行商標と同一又は類似であると審査で拒絶される傾向にあるものの、図形的性格の特徴が強く、外観において顕著な差異があるような場合には登録可能性が上がります。

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そんなこともあり、このゴールデンウィークはレタリングを学びました。明朝体・ゴシック体、それからローマン体・サンセリフ体で自分の名前をレタリングして、最後に自分の名前にコンセプトを設定してロゴタイプを制作するという課題です。

ブランドコンセプトを端的に伝えるブランドネームを決め、さらに図形的性格により視覚的にそのコンセプトを伝えやすくするというロゴ制作のプロセスを疑似体験することで、スタートアップのロゴの意図を正しく理解するとともに、必要な場合には、より好ましい結果を届けられるよう、その理解を商標実務の中で活かしていきたいとおもいました。