イニシャルフィーという考え方

六本木通り特許事務所では、商標出願・特許出願において「イニシャルフィー」という考え方を採用しています。

「イニシャルフィー」は当事務所独自のコンセプトで、初めての出願案件の受任に当たって依頼者の事業を正しく理解するために必要となる各種検討に伴う費用です。

商標出願について

商標出願について考えると、商標とは文字等と用途の組み合わせですので、どういった文字・図形等をどのような業務を用途として用いるのかの特定が必要です。たとえば、オンラインバンキングサービスは銀行業務なのか、それともウェブサービスなのかという判断は必ずしも容易ではありません。ウェブサービスとして提供される銀行業務という二面性を有するという判断が妥当かもしれません。

こうした問題は「〇〇向けアプリをローンチします」というご説明をいただいたのみでは判断不可能で、直近どこに軸足があるのか、不随してどのような機能があるのか、また未来の可能性としてどのようなサービスに変化し得るのかという事業の展望を理解しなければ、正しい商標出願をすることは出来ません。

人工知能(AI)で商標出願を効率化という流れがあり、これは歓迎すべきものである一方、特にスタートアップが挑戦するこれまでに存在しない事業の場合、当然過去の類似出願のデータも存在しないことから、一般的な機械学習では解けない複雑さがあります。

特許出願について

特許出願についても同様です。発明は課題と解決手段の組み合わせで、一般に事業には複数の課題があり、各課題を解決するための手段にも複数の要素があります。どの課題に対するどの解決手段を発明として捉え、特許出願の対象とするかの特定が必要です。そして、審査を通過して特許権を成立させるためには、他社が容易にはその発明に思い至らなかった新しさが要求されることから、事業を構成するいくつかの特色のうち、どれが本質的な新しさと言えるのかを見極めることが必要です。

この問題を解くには、技術のみをご説明いただいても十分ではなく、なぜ今この事業なのか、対象事業が属する業界において広く受け入れられている常識はなにか、新規事業で未来はどう変わるのかといった点まで含めて、商標出願以上に深い事業理解をしなければ、正しい特許出願をすることは出来ません。

特に特許権は他社が無断で特許発明を用いていることを検出可能であって初めて価値を生むことが多く、ありふれた課題を複雑な解決手段で解決する発明よりも、これまでの常識では見過ごされていた新たな課題をシンプルに美しく解決する発明の方が特許出願に適しているため、深い課題理解がとても大切です。特許は特殊なテクノロジーをもった会社のためのものというイメージがありますが、正しく使えば、広くスタートアップとの親和性が高い制度です。

費用について

イニシャルフィーが商標出願・特許出願の受任の前提となるため、少なくとも一件目のご依頼は、グーグル検索でご覧になる他事務所の費用よりも当事務所は高額となるようです。二件目以降はイニシャルフィーは発生しません。

ただ、出願をすること自体が目的ではなく、事業の方向性と整合した出願による知財化によって、瞬間的な今の強みを持続的なものに変換していくことを目的としていただけるのであれば、「議論の中ではっとすることが何度かあった」と評価をいただくこともあります。

社内にはない「知財」という切り口で事業の強みを整理し、時にはこれまで意識していなかった強みを共に見い出していく。そうした役割を果たしたいと考えています。

イニシャルフィーについて

イニシャルフィー™は六本木通り特許事務所の商標です。

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